茶室イクサーの独り言(仮)

ARAMには物語がある

自分が体験した怖い話 その1

 夏ということで怖い話でもしようかと思います。ボクが怖くて不思議な体験をしたのは人生で2度だけと記憶しています。命の危険を感じるような対人の怖い話も含めるともうちょっと多いですが。今回は前者で。

 

 余分な前置きですが、ボクは小さいころ怖い話が大の苦手でした。保育園の時分に先生がみせる「山姥(やまんば)」のビデオが怖すぎて、いつもテレビから背を向けて教室の隅で震えてました(どうやら先生は、普段お調子者のボクが怖がるその様子が面白くて流していた模様)。そんなボクが怖い話を好んで読むようになったのは大学を辞めて現実逃避にふけっていた頃なのですが、今回紹介する話はそれ以前に体験し日記にかいてあったものを引っ張ってきたものです。なるべく脚色無くかいてあるつもりですが人間なので見間違いとかあるかもしれません。そんなチラ裏な内容ですが、楽しんでもらえれば幸いです。

 

 

 

 

 

【金縛りの話】

 中学の頃の話です。布団をかけていたので冬だったと思います。その頃(というか今もですが)、ボクは寝るときにラジオをつけていました。つけっぱなしで寝ていたのです。

 

 ちょうど、うとうとしてきたころ、ドスン!という感覚とともに身体が動かなくなりました。一般的に金縛りといわれている状態だと思います。ボクは初めての体験に焦って鼓動が早くなる反面で、ちょっとした好奇心で興奮していました。

 

 しばらくすると少し落ち着いてきて身体の一部が動かせるようになってきました。それで状況を確認しようと思いました。

 

 どうやら、なにかが胸の上にのっている感じがする・・・。「ほんとに意識はあるのに身体はうごかないんだな」みたいなのんきなことを思いながら、目を開けようとしました。それまでは、まぶたも動かせなかったのです。本当は目を開けるのは怖かったのですが、しばらく四苦八苦していると目を開けることに成功。

 

 目を開けた先にはなにもいませんでした。そりゃ、いたら怖いです。でも依然として胸の上にすごい重圧を感じます。少しだけほっとしながら、部屋の方に目線を向けました。そして一気に頭に血が上るのを感じました。

 

 窓から差し込む月明かりに何かが映っているのです。ボクの胸の上に人型の何かがまたがっているのが見えました。10秒位だったとおもいます、その何かを見たまま恐怖で動けなくなりました。その恐怖がどんどん大きくなって、全身の血が逆流するように感じて、緊張が最高まで高まったとき、意識が一瞬飛びました。

 

 すると次の瞬間、身体がフッと軽くなって金縛りから開放されました。

 

 ハッと思い出したように呼吸をして、自分に起きたことを考えました。気が付くと汗でびっしょりで、呼吸も荒く、鼓動もとても早くなっています。

 

 部屋の方をみてみると窓から月明かりが差しこむだけでした。その夜は窓のカーテンは閉めていたはずでしたが、いつの間にかカーテンが開いていました。いつの間に開いたんだろう・・・?さっきの人影は・・・?なんてことを考えてるうちに、疲れていたのか眠ってしまいました。

 

 次の日の朝も部屋に特に変わったことはありませんでした。その不思議な出来事を親に話しましたが、軽く流されてしまいました。「夢でもみたんじゃない?」と。

 

 でも当時の自分には絶対に夢には思えませんでした。だって、金縛りの間ずっとラジオが聞こえていたのですから。

 

 

 

 

 

 

 

 というお話です。怖い話というより不思議な話でしたね。怖がりの自分にはけっこう恐ろしい体験でした。余談ですが当時聞いていたのは東海ラジオで録音した林原めぐみさんの番組かぴたぴたエンジェルあたりですね。その辺も含めて懐かしい体験です。今思えば疲れた状態でみた夢だったんだろうなとおもいます。